表情シワに半年の効果をだすボトックス注射とは
ボトックスという言葉を聞いた事があると思います。
ボトックス注射は美容外科でも利用されている方法で、シワや顔のたるみに効果がある美容成分です。
ボトックスはA型ボツリヌス毒素を利用していており、ボツリヌス菌に含まれる細菌のたんぱく質です。
ボトックスはアラガン社の登録商標薬剤となっています。
筋肉の動きを抑制する働きが分かり、今では美容業界でシワや顔のたるみ改善として利用され、アンチエイジングには欠かせない成分となっています。
ボトックスに含まれているボツリヌス毒素の主成分はクロストリジウム・ボツリウムのA型毒素と呼ばれるものです。
これにはA型毒素が含まれており、アセチルコリン分泌抑制効果を持っています。
アセチルコリンとは筋肉を動かす成分で、脳神経から電気刺激を受けて筋肉を動かす働きを持っています。
つまり、ボツリヌス毒素にはこの電気刺激を抑制し、筋肉を動かさない働きがあると言うことです。
筋肉を動かしているのはそれぞれの器官だと思ってしまいますが、脳からの電気刺激が伝わらなければ動きません。
私たちは体を動かそうと思うと、脳から電気刺激が出ることになり、それがアセチルコリンを分泌させて筋肉を動かしています。
普段はあまり意識しない事ですが、美容にも関係してくる事のため覚えて起きましょう。
ボツリヌス菌には「菌」と言う名前が付いていますし、ボツリヌス毒素にも「毒素」という名前が付いていて、有害では無いのか?と考えてしまうでしょう。
しかし、菌という名前が付いていても、A型で有害性が低く、さらに使用する量も300分の1とわずかなため、厚生省やFDAからも安全性が高い成分だとして認識されています。
また、注射によって注入する事で副作用などはないのでしょうか?
使用する量はわずかでも、まったく副作用が出ないとは言い切れませんし、針を刺す時の痛みは避ける事はできません。
美容のためなら注射の痛みは我慢すると言う方が多いのでしょう。
副作用としては頭痛、吐き気、呼吸困難などの症状が確認されています。
また、ボツリヌス菌はアレルギー反応を引き起こす可能性があり、呼吸器疾患が有る方は注意したほうが良いです。
喘息がある方などは、ボトックス注射は注意して利用しなければなりません。
毒素の一種のため、経験豊富な医師の下利用するのが一番でしょう。
過剰に注入してしまったり、アレルギーがある方に使用した際の対処方法なども知っている医師が行なわなければなりません。
ボトックス効果を美容外科で利用すると、筋肉の動きを抑制するため、表情シワを抑制できると言われています。
顔の筋肉が固まり、シワが目立たなくなるという考えです。
必ずしもシワが無くなるわけではありません。
ただし、顔の表情筋を動かさない事によって、今後できるだろう表情シワの発生を抑制できる可能性はあります。
顔の筋肉が固定されて、アイロンをかけたようにハリが出てきます。
ボトックス注射を行なうと、半年〜9ヶ月くらいは持続するといわれています。
保険で利用する際には、眼の周りの痙攣、斜視などで利用されています。
美容外科で利用する際は病気の治療では無いため、保険は適用されません。
元々ボトックスはシワ取りの治療として開発されたものではなく、他の病気の治療として利用すると、シワが目立たなくなる事から利用され始めたのです。
ボトックス
『ボツリヌストキシン』より : ボツリヌストキシン(Botulin toxin)は分子量が15万ほどの蛋白質で、ボツリヌス菌が産生する。
ボツリヌス菌食中毒の原因となり、極めて毒性が強い(致死量は体重1kgあたりの半数致死量が0.0006mgである)が、加熱するか酸で処理すると分解して毒性がなくなるため、十分加熱すれば安全。ボツリヌストキシンの中でもA〜G型があるが、最も毒性が強力なのはA型で、テタヌストキシンをも上回る毒性を持つ。
神経伝達物質の放出を妨げる働きをする。そのため、ボツリヌス神経毒素とも呼ばれる。ボツリヌストキシンによる症状は、筋肉の麻痺や弛緩、嘔吐、視力障害等。ただし脳関門を通過できない為効果は末梢神経に限られる。
ボツリヌス菌
ボツリヌス菌(学名Clostridium botulinum)は、クロストリジウム属の細菌である。グラム染色#グラム染色性による分類 グラム陽性の大桿菌および偏性嫌気性菌。土の中に芽胞の形で広く存在する。菌は毒素の抗原性の違いによりA〜G型に分類され、ヒトに対する中毒はA,B,E,F型で起こる。
ボツリヌスの語源はラテン語のbotulus(腸詰め、ソーセージ)であり、19世紀のヨーロッパでソーセージやハム (食品) ハムを食べた人の間に起こる食中毒であったためこの名がついた。1896年、ベルギーの医学者エミール・ヴァン・エルメンゲム(Emile van Ermengem)により発見・命名された。
2006年7月12日、警察庁と産業技術総合研究所とでボツリヌス毒素を10分で検出する方法を共同開発した。(従来の方法では1-4日要した。)新技術は糖とボツリヌス毒素を結合させ、レーザーで検出する。
アセチルコリン
アセチルコリン(Acetylcholine,ACh)は神経伝達物質であり、副交感神経や運動神経の末端から放出され、神経刺激をある種のシナプスを通して伝える役目を果たしている。コリンの酢酸エステル化合物。化学式は CH3COOCH2CH2N+(CH3)3。骨格筋や心筋、内臓筋の筋肉 筋繊維のアセチルコリンの受容体に結合すると収縮を促進する。自律神経の内、副交感神経を刺激し、脈拍を遅くし、唾液の産生を促す活性がある。1914年にヘンリー・H・デイルによって発見され、オットー・レーヴィによって神経伝達物質であることが明らかにされた。彼らはこの業績により1936年にノーベル生理学・医学賞を受賞している。
(WIKIPEDIAより抜粋)
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